小樽問答は日蓮宗と創価学会によって行なわれた「法論」です。
以下は、日蓮宗現代宗教研究所所報『現代宗教研究』掲載のために私が反訳した元テキストです。
『現代宗教研究』掲載のものは、手が加えられていてニュアンスがことなります。
本稿は、日蓮宗妙龍寺所蔵の録音を、可能な限り忠実に反訳したものである。反訳とは録音されたものを文章化するこという。
これまでに創価学会は『小樽問答誌』という書名で昭和三十年五月に反訳を出版しており、昭和三十七年にも増補改訂版を出版している。
日蓮宗では、『みのぶ』誌の昭和三十年四月号で特集したが討論会のもようは要約抜粋であった。
また討論当事者であった長谷川義一師が昭和三十一年三月に『小樽問答の眞相』という冊子を出版されたが、記録と記憶をもとに所感を述べられたもので、これも討論会の忠実な再現ではなかった。
創価学会の『小樽問答誌』は討論会のほぼ全体を掲載してはいるが、発言が修正されていたり創価学会に都合の良い注釈が加えられるなど編集が施されており、読むさいにはかなりの注意が必要である。
本稿は、以下のルールにより、反訳した。
一、マイクを通していない登壇者以外の声は、ヤジとして( )の中に記した。
一、 文中、三ヶ所テープ交換のために音が入ってないところがあるが、(音が消える)(音が入る)と記し、『小樽問答誌』から該当する箇所を補った。
一、 一般質問者の氏名もわかる範囲で記した。
一、 文中、必要に応じて ( )の中に注を記した。
登壇者略歴
日蓮宗代表
室住一妙・新潟県出身、立正大学卒業、身延山短期大学身延山高等学校勤務。
長谷川義一・東京妙顕寺、日蓮宗東京北部布教師会長、元立正大学教授。
創価学会代表
小平芳平・大正十年八月十三日長野県に生る、昭和二十二年中央大学法学部卒業、昭和十六年十月入信、当時、創価学会教学部長・教学部教授・大白蓮華編集長。のち公明党参議院議員。
辻 武寿・大正七年四月三日埼玉県に生る、昭和十三年東京府豊島師範学校卒業、昭和十五年七月入信、当時、創価学会青年部長・教学部教授・蒲田支部幹事。のち公明党参議院議員、創価学会副会長・參議会議長。
司会者
日蓮宗・松井義海
創価学会・池田大作
一般質問者
日蓮宗(質問順)
小松智元・苫小牧法華寺
望月都区英
三和連城・余市法華寺
水野英嶺・川上妙巌寺
創価学会(質問順)
龍登
細井精道(日蓮正宗僧侶、後に66世法主)
龍年光